寺が多いから寺町と云い
弓職人の御弓町
夕暮れの匂いのする町並みを
自転車こいでく男がいる
いくつもの伝説に束ねられた
この時代を肩で振りはらい
振りはらう肩の空に立ち上る
のろしのひと筋ふた筋。
禁じられた煙草に火を点けて
うぶ毛を震わせる少年たち
教室での誓いを破ったぼくら
教師たちの憎しみあびせられ
ひまわり風に揺れる夏の日に
あいつらあっという間に年とった
うつむいて笑ったクラス友達
彼等も今は敵じゃない。
Refrain:
おおいつか人がもっと若く生きられるとき
光の中を歩くとき
それまで君の力がうまく
隠されていますように。
希望と友愛を売り歩く男の
洒落た口説き文句を信じない
男が場末のバンドの唄うたいなら
ぼくら黙って立ち去ればいい
苦い魚を噛るように昔
ひとつの思いを呑み込んだから
はるかなメロディ、何度めかのリフレイン
どんな唄にも慰めはない。
誰ともうまくやって行けなかったから
僕は別ればかりを考えた
さようなら心やさしい町の娘たち
ありがとう激しい雨の中で
九月になれば風も向きを変えるだろう
今は遠い五月の空
君はひとりの女の子に出会ったし
僕は寂れた町を歩いた。
(Refrain)
あれからもうどのくらい経ったのか
爽やかな朝が来なくなってから
ただ死んだ友達や別れた女たちの
いった朝ばかりが戻ってくる
女は葱の匂いその手の中で
雨に打たれた季節が行く
目を閉じ君が眠るときそのとき
世界は声をひそめるだろう。
酔っぱらえば君のサキソフォン
君の唄を吹いてくれ
首都から遠く離れた海辺の町
弓のようにたわむ空へ
この唄が君の町へ届いたら
一杯の酒に思い出してくれ
でも最後にひとつだけ知りたい今夜
風は何処から吹いてくるのか。
(Refrain)
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